人事の生々しい話。

現役人事マンによる、人事に関するあれこれ。採用、教育、評価、配置、人間関係などのトピックを発信するブログ。

印象に残る人、そうでない人

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採用の季節の真っ只中ですね。

面接を受け始めた人、もう最終選考まで進んだ人、本命をまだ決めきれない人…など。

 

私は書類選考や採用面接をすることもあるのですが、(とは言っても偉くないので、初期段階の面接ですが笑)本当に色んな人が世の中にはいるんだな、ということを実感させられることがたくさんあります。

 

友人との繋がりを大切にしてきた方、部活やサークルの活動に命をかけてきた方、世界中を旅した方、企業した方など。

私自身の存在が超恥ずかしくなるほど、立派な方が多いです。

正直、「そんなに優秀なのに何でうちみたいな企業に応募してくれるんだ…」と思うことが多々あります。

まぁ、面接の練習で来る方もいるのですが、本当にうちの会社が好きなんだという方もいて本当にありがたい限りです。

そして、そういう人は簡単に見抜けます。ポイントはいくつもあるのですが、まず3点だけ。

 

中身が薄すぎる

特にエントリーシート。本当に受ける気あるの?と思うものがけっこうあります。1つだけ挙げるとしたら、文章量で判断します。スカスカだと、中身を読み込まずにお祈りBOXに入れます。

本当に受かりたいという熱意だあれば文章量は必然と多くなるはずです。もちろん量が多ければ良いというわけではないのですが、それでもスカスカより何倍もマシです。

とりあえずは質は置いといて、量はできるだけたくさん書いてください。

 

トーリーがありきたり

どんなエントリーシートにも自己PR欄や学生時代に頑張ってきたことを書く欄がありいますよね。上記でも書きましたが、本当に素晴らしい経験をされてきた方を目にすることがあります。

ただ、そういう人はやはり特殊で、そんなに多いというわけではありません。多くの方が普通の学生生活を送ってきています。(それが悪いということでは決してありません)

そんな普通の学生生活の中で、どんなことに力を入れてきたのか、その結果今の君はどんな人になったのか、そんなことを知りたいのです。

しかし悲しいかな、印象に残らない人が本当に多いです。

特にサークルメンバーを引っ張ってきた人バイト先の売り上げの伸ばした人が多いこと。

もちろん、これは悪いことではなく、むしろ素晴らしいことだと思います。何十人も所属している集団を引っ張ることなんて、能力的にも機会的にもかなり難しいことです。アルバイトでありながら売り上げの伸ばすその実力、素晴らしいです。

しかし、印象に残りません。埋もれてしまうからです。何枚ものエントリーシートを見るので、よっぽどのことが書いてないと光りません。

どうせ書くなら、一億円の利益をもたらしたくらい書いてください。(極端な例ですが。もちろん嘘を書いてもダメです。)

 

志望動機が見当違い

個人的にですが、志望動機を書くのが一番難しいと思います。ポイントは「その企業でしかできないことがしたい」ですが、その企業でしかできないことなんて、ほとんど無いと考えているからです。

Appleで人事がしたい」という人には、「何故、人事をするのにAppleでないとダメなのだ」と、もう一歩突っ込んで聞いてしまいます。

これが例えば開発だったら話が別です。iPhoneを作りたければAppleに入るしかありません。

しかし、「iPhoneが好きだからiPhoneを売る営業がしたい」という人には、「iPhoneが好きなら作るくらいの気持ち見せてよ」と思ってしまいます。

じゃあ文系は何て書いたらいいんだ!

その企業でしかできないことが少ないことなんて、百も承知です。そんなことはわかっていながら選考をしています。

そんな中でも、必死に企業研究をして、そこでしか出来ないことを見つけてください。そして、それを表現してください。

Appleで働く人のサポートを直接行うにはAppleに入るのが一番ですよね。Microsoftに行ってもしょうがないですよね。

 

 

 

以上、3つのポイントを挙げましたが、最低限ここはクリアしておいてほしいです。応募者自身のことを見る段階までに至りません。

 

あ、私はAppleの人事でもMicrosoftの人事でもありませんのでご承知おきください(笑)